会社設立時の資本金の仕訳は難しい?見せ金の仕訳などを解説。

クラウド会計などを利用して、自分で会計ソフトへ入力をしている人も増えているようですが、簿記の知識がある人でも、会社を設立した後の資本金の処理の方法が分からないという人が多いようです。

会社設立をするためには、資本金を用意する必要がありますが、会社設立日時点では、会社名義の銀行口座がまだ無いので、資本金の処理、仕訳をどうしていいか分からないというものです。

 

資本金を法人口座に移動し忘れているケースも多いです。

自分でやっているという人の会計ソフトや試算表を見せてもらうと、忘れているか、処理が分からないという理由で、資本金の計上が無いというケースもとても多く、やはり会社設立した後は、税理士などの専門家に相談できる環境を作った方が良いと感じます。

 

資本金として用意していたお金から経費を使ってしまい、資本金の300万円は、すでに手元には無い、というような場合などでは、どういう処理をすれば良いでしょうか?

ここでは、資本金の仕訳の方法や資本金の取り扱いの実務的な部分を解説していきます。

 

会社設立時の資本金は個人の銀行口座に入金する?

会社設立する時には、資本金を用意しなければなりません。

会社設立の手続きをする際には、資本金用として用意した現金は発起人の個人の銀行口座に入金・振り込みをすることで、資本金が払い込まれたことを法務局に証明します。

この証明により会社設立が完了するのですが、会社の設立日以降は、資本金は会社のものになりますので、個人の銀行口座に入金した資本金を、法人の銀行口座に移す必要があります。

しかし、銀行の口座開設には、会社の謄本や印鑑証明書が必要になりますが、法務局でこれらの書類が取得できるのは、通常は、会社設立日から1週間〜10日後になります。そして、この謄本と印鑑証明書を取得してから銀行に口座開設の申込みをしてから審査をされることになるため、会社を設立してから法人の銀行口座ができるのは、会社設立日から数週間、銀行によっては1ヶ月近くかかってしまうことになります。

 

早くても会社の口座に資本金を入金できるのは数週間後ということになってしまいます。

それでは、法人口座が出来るまでの間は、会社の資本金の計上はどうすればいいでしょうか?

 

それでは、資本金の仕訳の仕方を解説していきます。

 

会社設立時の資本金の具体的な仕訳の仕方の例

会社設立日に資本金の計上を行う必要があります。

会社設立日には法人の銀行口座はまだありませんので、具体的には、次の仕訳をすることになります。

例A:資本金300万円で会社を設立して、300万円を個人口座から法人口座に振り替えた場合

  • 会社の設立日の仕訳
    借方勘定科目 金額 貸方勘定科目 金額 摘要
    預け金 300万円 資本金 300万円 会社設立/資本金の計上

一般的な会計ソフトでは、「預け金」という勘定科目は無い場合が多いため、新たに科目を追加して作成するか、「仮払金」などの科目で仮の処理をしておいても良いでしょう。

 

  • 法人の銀行口座が出来あがり、個人の銀行口座から法人の銀行口座に資金を振替えた時の仕訳
    借方勘定科目 金額 貸方勘定科目 金額 摘要
    普通預金 300万円 預け金 300万円 資本金の口座振替

 

また、会社設立の準備のため、法人口座に振り替える前に資本金の中からお金を使うケースもあると思います。こういったケースでは、次の仕訳をすることになります。

例B:資本金300万円で会社を設立して、300万円の中から経費を使い、その残額を個人口座から法人口座に振り替えた場合

  • 会社の設立日の仕訳
    借方勘定科目 金額 貸方勘定科目 金額 摘要
    預け金 300万円 資本金 300万円 会社設立/資本金の計上
  • 法人の銀行口座に資本金を振替える前に資本金の中から経費を使った場合
    借方勘定科目 金額 貸方勘定科目 金額 摘要
    創立費 30万円 預け金 30万円 ○○司法書士/会社設立費用
    消耗品費 2万円 預け金 2万円 ○○印鑑屋/印鑑3本セット
    工具器具備品 18万円 預け金 18万円 ビックカメラ/パソコン
    広告宣伝費 30万円 預け金 30万円 ○○制作/ホームページ制作
  • 法人の銀行口座が出来あがり、個人の銀行口座から法人の銀行口座に残った資金を振替えた時の仕訳
    借方勘定科目 金額 貸方勘定科目 金額 摘要
    普通預金 220万円 預け金 220万円 資本金の口座振替

 

資本金の見せ金、資本金の借入をした場合の仕訳

資本金を用意するお金が無いため、会社設立をする時に資本金の払い込みがあったことを証明するためだけに、お金を借りて、会社の設立が終わったらすぐに返すという、いわゆる「見せ金」というやり方で会社設立した場合には、どういう仕訳になるでしょうか?

例A:資本金300万円で会社を設立した場合

  • 会社の設立日の仕訳
    借方勘定科目 金額 貸方勘定科目 金額 摘要
    預け金 300万円 資本金 300万円 会社設立/資本金の計上
  • 法人の銀行口座が出来あがっても、資本金を法人の銀行口座に振替えることができません。
    借方勘定科目 金額 貸方勘定科目 金額 摘要
    長期貸付金 300万円 預け金 300万円 代表者への貸付

 

ちなみに、「見せ金」というやり方は、そもそも違法です。

この仕訳のとおり、手元にお金が無いので資本金を法人口座の普通預金に入金することができず、代表者への貸付金という処理をすることになります。

銀行などの金融機関が見れば、「見せ金」だということが、すぐにバレてしまいます。

「見せ金」というやり方で会社設立をした場合には、どんなに資本金が大きくても自己資金とは見てもらえないため、創業融資などの資金調達はできないと考えていいでしょう。

 

まとめ

会社設立時の資本金の処理は、意外と難しいです。

一番よくないのは資本金の計上を忘れてしまうケースです。

会社設立後に日本政策金融公庫や保証協会、銀行などで創業融資を申し込むことがありますが、通常は直近の試算表を持ってくるように言われます。

税理士と顧問契約をしている場合であれは問題ありませんが、自分でクラウド会計などで作成する場合には、資本金の計上自体を忘れないようにしましょう。

また、会社設立時の資本金については、「会社設立時の資本金はいくらにすべき?決め方や平均」の記事にも詳しく解説しています。

会社経営していく中でも、資本金は信用力の一つにもなるため、資本金の決め方や考え方についても、しっかりと理解しておきましょう。

 

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